政治哲学の古典入門

國分功一郎『近代政治哲学−自然・主権・行政』

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本書について

本書は、筆者が大学で大学一年生向けに行ってきた講義をもとに作られた。本書は、以下の古典の内容とその著者についてそれぞれ解説するという形式をとっている。

 

ジャン・ボダン 『国家六論』

トマス・ホッブズリヴァイアサン

スピノザ 『国家論』

ジョン・ロック 『政府二論』

ジャン=ジャック・ルソー 『社会契約論』

デイビッド・ヒューム 『人性論』

イマヌエル・カント純粋理性批判』、『永遠平和のために』

 

筆者はこれらの古典を読み解くことで、現在の政治体制の持つ欠点を明らかにする。そうした本書の狙いを、自身の言葉ではこのように説明している。

 

現在の政治体制が近代政治哲学によって構想されたものであるならば、哲学からも自体を打開するためのヒントが得られるはずである。

我々のよく知る政治体制に欠点があるとすれば、その欠点はこの体制を支える概念の中にも見いだせるであろう。

概念を詳しく検討すれば、どこがどうおかしいのかを理論的に把握することができる。

 

結論から言えば、筆者が本書で念頭においている現在の政治体制の課題とは、行政国家化の問題である。すなわち、行政とその担い手である官僚の役割が著しく増大しているという問題だ。主権者である国民は、選挙を通じて議会に代議士を送りこむことで、立法に関与することができる。しかし、法の運用を行う行政の活動には関わることはできない。

 

本書はこの課題について、現在の政治体制を支える3つの概念、自然、主権、そして行政について焦点を当て、近代政治哲学の古典を解説している。

 

 とてもわかりやすく解説してあり、自分のような初学者にも向いていると思うので、よかったらぜひ。